口が赤い水曜日。息子は店を知らず、母さんの口だけを見ている。
第5章「完落ち」 高瀬初美(45)は、表向きエステのパートです。 本当の仕事は、高級ソープの昼間部。水曜の指名は、いつも同じ男です。 若い客のようにお母さんとは呼びません。 身体だけを、丁寧に開きます。一か月で、体が先に覚えるようになります。 名前を見る前から、奥が動く。 キスは、自分から寄ってしまう。止めようとしても、声が先に出ます。 出た声を、家では飲み込みます。 午後4時半。 息子の陽太は、店を知りません。 知っているのは、いつもの帰宅時間なのに、母さんの口が赤いことだけです。 仕事のことが喉まで来て、出ません。 手が、途中で止まります。触れません。 言いません。 消えないのは、熱だけです。 ※表紙・サムネイル画像にはAIを使用しています。 総文字数:約4200文字 総ページ数:本文21ページ


















