結婚詐欺で死にかけた女は蟹の鋏を拝む教団に拾われ、毒を消すアイドルは国に核のごみを食べろと頼まれる。わけのわからない短編を五本収録。
マッチングアプリで知り合った男に四百万円を持ち逃げされ、夜の屋上で柵に足をかけた三十一歳の会社員を引き剥がしたのは、満面の笑みで指をチョキチョキさせる警備員でした──本書はこういう話を五本集めた短編集です。 【あたおか宗教がやめられない】 蟹の鋏で不運を切る新興宗教、蟹貴理教。挨拶は右手のチョキを二回開閉させて「チョキチョキ」。カルトではないが奇怪なその宗教を、主人公はどうにもやめられない── 【キラー・ポリス】 令和十年四月、外国人犯罪即応処理法が施行された。通称キラー・ポリス法。犯行が確定し、反省の意が認められない外国人犯罪者は、取調室のその場で処置される。ダークアンドブラック! 【ノーライフ・ノーミート】 板橋区蓮根の賃貸マンションに住む不動産営業の坂巻は、一階に入っている個人スーパー「フレッシュまるとみ」の肉に惚れ込んでいる。 【腹ペコセックス芋虫】 性的なことに応じきれないまま二つの恋を終えた夏希が見つけた恋人は、プロフィールに「アセクシャル寄りです」と書いていた寺田だった。だし巻き卵を焼いてくれる彼と並んで本を読む、穏やかな毎日。ところが付き合って二年目の秋── 【アイドルはうんちをしない】 アイドルは、アイドルでいるあいだだけ、口にした毒をすべて無害にしてしまう。青酸カリでも、放射性物質でも。この事実に目をつけた時の総理大臣は、全国のアイドル事務所へ高レベル放射性廃棄物の処理に協力してほしいと要請文を送った。 全五編、約三万五千字。 縦書きPDF(A5判・全112ページ)




















